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2008.10.21 Tuesday

伊良部ユークイ2008 皿主(さらのしゅ)

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    4年目になる伊良部島最大神事のユークイ(豊年祭)は、今までにない大きな喜びを感じる時間になりました。

    一つ目は、毎年、私を案内してくれるホテルのオーナーから「吉岡さんは今年は来ないのか?」と聞いてくる地元の方が何人もいたということを聞いたからですが、その理由は、字伊良部部落のユークイに参加してすぐわかりました。
     

    4年前、伊良部島の龍に導かれてこの島へ来てから、初めてユークイのウタキの中で出会った50代の男性(川満照一)さんに、大切な日本の古い伝統や精神を守る皆さんの姿に感動したと話すと、「わざわざ北海道からこの島へきてくれて、神を信じ神に感謝してくれるあなたに私も感謝している」と、神に代わって御礼を言ってくれた心の美しい川満照一さんが、なんと!今年から島全体の最高祭司である皿主(さらのしゅ)に選ばれたことです。
     

    神役目の司たちのトップに位置する人を村人たちは皿主(さらのしゅ)と呼び、御嶽守りの司の女性たちよりも上に位置する最高の神の人として尊敬の念を持って対応しています。

    さらにすごい出来事は、川満さんが皿主に選ばれたことで、昨年、日取りを決める役目に選ばれた村主(そんしゅ)=(※地元の方は習主(ちょーのしゅ)と呼ぶ)のお兄さんと兄弟で神役目をいただいたことです。

    これは650年続くユークイの歴史にもない初めての出来事として、これからの3年間が大切な意味があることを村人全員が感じているようでした。
     

    三年ごとに行われるこの神役目を選ぶ手順は、まず対象となる年齢の人たちの名前を書いた紙を折りたたんでお盆の上に載せ、字伊良部の区長がお盆を左右に振ります。

    何度も振りながらそこから飛び出した紙に書かれた人の名前の人を選ぶのですが、7回も振るこの作業で5回も飛び出した川満さんの名前を神が選んだ人だと全員が認めています。


    皿主(さらのしゅ)に選ばれると年に36回行われる神行事を三年間全て出席しなければいけないルールもあります。

    さらに、その月に行われる神行事の日取りは、旧暦の毎月1日にしか決めることができないルールがあるので、普段お勤めをされている川満さんにそのことを聞いてみました。

    「神役目をいただいた人は、何があっても神ごとを優先しなければいけないんですよ。」と話してくれました。

    本当に大変なお役目だと関心しましたが、よく考えてみるとその祭りを支える村人たちも同じように、何があっても大切な行事に参加しているのだと気づきました。
     

    このように神を大切にする大人の姿は、未来の子供たちに守り継ぐ後ろ姿として先祖から続いていますが、お祭りの影でお酒の手配や場所の段取りをしている青年部の子供たちにも直接話を聞くと、「同級生にこのことを理解してくれる人は少ないけど、僕たちは必ずこの村の祭りを守りますよ!」と熱い志を話してくれました。

    大人たちが見せる行動の積み重ねこそ、子供たちの最大の教育であることを教えてもらった瞬間でした。
     

    地球を守り、日本を守り、自分の住む土地を守りたいと願う人ならば、必ず示さなければいけない行動の基本であると思いました。

    どうぞ、精神性の高い大人の皆様、その姿をあなた自身が行動で見本を示して下さい。子供たちはいつもあなたの言動と行動を見つめています。




    祭りの最後に踊りを踊る年配の女性たちは、必ず着物の上に長い羽織(わーがき)を着て踊りますが、この羽織を着て踊る女性たち全てがウタキを守る司(つかさ)の役目を過去していたことを教えてもらって、さらに感動しました。

    神様に選ばれて三年間、日々精進したその姿は神守りの功労の証として女性たちのあこがれの踊りです。何度聞いてもこのおばーたちの歌声から聞こえる神様の声に、私の魂はいつも震えす。


    渡口の浜の川向かいにある林の中のウタキ(パイヌフツ)の意味を聞いてみると、伊良部島全体の元を守る役目を持つ字伊良部と仲地部落の二つ部落のバランスを取る神様がいらっしゃると教えてくれました。


    さらにこのウタキのあと、初めて最後のウタキへご一緒することを許されました。

    伊良部島全体の祭り事の中心役として働く字伊良部部落の最後の場所は、字伊良部集落の真ん中にある川の神様(カーシン)で「カーイ」と呼ばれている場所です。

    古くからこの井戸の水を飲んで生活していたことは当然ですが、神を大切にする人からそのこと以上にこの場所の神様は大きくて怖いと教えてくれます。





    習主(ちょうのしゅ)も皿主(さらのしゅ)も踊るこの場所は、前日からの続いた長い祭りの時間を無事見守り続けてくれたご先祖神たちや天地の神様へ感謝を捧げているようにも感じました。

    日も落ちて薄暗くなると一人づつ女性たちが家に戻り夕飯の支度をする頃、昔から男性だけに続いている伝統的な力自慢があります。

    川の神様の場所にある60kgほどの石を肩の上に担ぐのですが、やってみるとこれが重い!何人もの若者が挑戦しますが肩の上まで上がったのは若者では一人だけでした。すると70歳のおじーが、シャツを脱いで見本を見せてくれます。

    一気に持ち上げるたそのりりしい姿は、この村を支え続けて男たちの力強さを感じさせてくれる瞬間でした。



    この力自慢で最後だと思い帰ろうとすると最後の最後、この島の神行事の全てを影で支えている元(ムトゥ)と呼ばれる家に誘ってくれました。


    この元(ムトゥ)に当たる家の役割は、毎年持ち回りのボランティアで祭りごとの段取りを話し合ったり寄り合う家として、年間に何十回も集まる人の食事や飲み物の世話、集金・名簿の管理など一気に引き受ける役目なのだそうです。

    家のご主人に話を聞くと、自分の息子が26歳の少年をヤー(神祈りの対象年齢)と呼びますが、地方に暮らしているので親がその代わりをして皆さんを支えるのは当然なことですと話してくれました。

    この話を聞いていて、昔、ある人に教えていただいた素晴しい親心の話を思い出しました。


    「俺の息子は東京で暮らしてるんだ。離れているから親はお金を送るくらいしか面倒はみれない。でも息子が困ったときには必ず周りの誰かにお世話になっているはずだから、その人に恩返しできない分、自分の周りにいる子供たちに自分のできることをしてあげているんだと。」

    コンビニで1000円しか持っていない知らない子供たちに、「飯ぐらい腹いっぱい食えとお金をあげた話」を教えてくれたこの親の心こそ、人と人の大切なつながりを繋ぐ大切な糸のようにも思えます。

    人間としての心や暖かい親心、また、おじーやおばーを大切にする親子や人のつながりの一番大切なことを感じさせてくれる伊良部島の皆様に、心から御礼感謝いたします。




     


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